マインドフルネスの歴史。

マインドフルネスは「サティ」という言葉が原語となります。「サティ」とは古代インド語であるパーリ語です。ミャンマーやスリランカ、タイなどを中心に広がるテーラワーダ仏教で現在でも使われている言葉です。

 

テーラワーダ仏教で「サティ」という言葉は修行の上でも非常に重要視されてきました。「サティ」は日本語では「気づき」や「念」という言葉で表されます。

 

テーラワーダ仏教は「初期仏教」とも呼ばれており、お釈迦様の教えを忠実に伝えていると言われています。

 

つまりマインドフルネスは突き詰めればお釈迦様が使われた言葉だったと言えるでしょう。

 

テーラワーダ仏教の僧侶達が欧米に渡り、サティを伝えました。その中で西洋的な文化と相まって「マインドフルネス」という言葉が生まれたのです。

 

マインドフルネスを世界的に有名にしたのはベトナムの禅僧である平和活動家ティクナットハン師、そして分子生物学博士のカバットジン氏です。

 

ティクナットハン師は「常にマインドフルでいなさい」と世界中にマインドフルネスを伝える活動をしています。

 

カバットジン氏はアメリカで「マインドフルネスストレス低減法」を確立し、医療の世界で多大な貢献をしています。

 

2000年代に入り、脳科学の発展と共にマインドフルネスが様々な効果をもたらすことがわかってきました。

 

そこでいち早く取り入れたのがGoogleを始めとする世界的企業です。

 

メンタルヘルスや生産性の向上に効果があるということで、マインドフルネスを社内プログラムに導入し、ティクナットハン師を講師として招くなど、Googleはマインドフルネスを一般的に有名にした張本人と言えるかもしれません。

日本ではどうか?

日本にマインドフルネスが入ってきたのは1990年代も終わりに差し掛かろうとする時期です。

 

日本の仏教は中国から伝わってきたもので、そこに儒教や日本独自の神道が組み合わさった「日本仏教」と言われるものです。

 

日本仏教はお釈迦様が説いた仏教ではありません。長年、日本仏教が主流であった日本にも2000年を前にしてようやくお釈迦様の説いた仏教が伝わったということです。

 

ですから日本ではマインドフルネスが導入されてまだ20年弱しか立っていないのです。

 

いえ、一般的に知られるようになったのはここ数年ですから、事実上まだ日本には入ってきたばかりと言ってもいいかもしれません。

 

日本でマインドフルネスの普及が遅れている一番の理由は、「地下鉄サリン事件」でしょう。

 

いまだに人々の間にはっきりと記憶に残っている「オウム真理教」が引き起こした無差別テロ事件です。

 

オウム真理教は「瞑想」や「ヨガ」を用いて信者の確保や洗脳を行っていました。またその教義の根幹はチベット仏教が中心となっていました。

 

それゆえ、いまだに「瞑想」という言葉を聞くと反射的に拒否感を露わにする人も少なくないのです。

 

オウム真理教が引き起こした事件のせいで「瞑想」のイメージは日本では最悪です。

 

マインドフルネスの実践は宗教色はまったくないのですが、マインドフルネス=瞑想、瞑想=危ないという図式が多くの方にまだまだあるのが現状なのです。

 

だから日本では広がるのに時間がかかるでしょう。特に教育の分野では抵抗があるのではないでしょうか。

 

マインドフルネスは教育にも非常に効果的なのでもったいないですね。